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【弁護士解説】共有持分の売却は損?買取業者に安売りしないためのポイントを解説します。

作成:2025年4月1日 更新:2025年11月25日
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共有不動産を売却したいと考えている方の中には、

他の共有者と疎遠で話ができないため、一緒に売却ができない

話し合いがまとまらない状態が続いており、早く現金化したい

といった事情があり、調べているうちに「共有持分買取業者への売却」という選択肢にたどり着くことがあります。しかし、共有持分買取業者への売却には注意点があり、よく考えずに進めると、相場を大幅に下回る金額で手放すことになりかねません。

そうした事態を避けるには、買取業者のビジネスモデルや、持分を買い取る目的を正しく理解することが重要です。この記事では、共有持分買取業者が関与する理由、持分買取業者への売却以外の選択肢など、「共有持分の売却」を検討している方が知っておくべきポイントを弁護士が解説します。

1 持分買取業者とはどのような会社なのか?

持分買取業者は、共有者から持分を買い取って、最終的に全ての持分の取得(完全な所有権化)を目指す不動産会社です。共有持分をすべて取得した後、一般市場で売却したり、再開発を行ったりして利益を得ます。

持分買取業者とは

共有持分は、一般の不動産市場では買い手がつきにくく売却が困難ですが、持分買取業者は、次のようなメリットを提示して買取を提案します。

・値段が付かない持分でも買取可能!

・早期に現金化可能!

・他の共有者と疎遠、連絡先不明でも買取可能!

・他の共有者との面倒な交渉も引き受けます!

これらは魅力的に見えますが、持分買取業者への売却金額は、不動産の本来の価値(客観的価値)よりも大幅に低くなる可能性があります。その理由について、次項で詳しく解説します。

2 持分買取業者の買取金額が高くなりにくい理由

(1)共有持分の性質による「減価」

共有持分は、共有者一人の判断で、制限なく利用(改修、賃貸など)することができません。

そのため、一般の不動産市場での需要は低く、市場価値が大きく下がります。これが、共有持分の性質による減価です。

すべての場合に減価するわけではない点に注意

「共有持分だから安くなる」というのは、あくまで一般市場で持分として売却する場合の話です。裁判所を通じた「共有物分割」を行う場合などでは、必ずしも減価するとは限りません。

業者が「持分だから安くなるのは当然」と主張する場合、その減額が法的に正しいのかは慎重に検討する必要があります。中には、減額されないケースであることを知りつつ、大幅な減額を主張する業者も存在します。

(2)持分買取業者の利益部分があるため

共有持分買取業者への売却価格が相場より安くなる最大の理由は、業者のビジネスモデルにあります。業者は、持分買取後に他の共有者と交渉や裁判を行うコストとリスクを負います。

そのため、確実に利益を出すために、持分を「安く仕入れる」必要があるのです。

具体的には、市場価格の2分の1(半値)以下の金額を買取金額として提示することが一般的です。

【業者の買取金額の目安】

・不動産全体の評価額:5000万円

・あなたの共有持分:1/2(本来の価値は2500万円)

持分買取業者の提示額:約800万円~1250万円

裏を返せば、持分買取業者は「安く買い叩く」ことで大きな差益(利益)を得ることを目的として、持分の買取に関与していると言えます。

3 持分買取業者への売却以外の選択肢

(1)価格賠償(共有物分割)の方法

「価格賠償」とは、特定の共有者が他の共有者の持分を買い取る方法です。共有者が複数いる場合は、全ての共有者から価格賠償で取得すれば単独所有にできます。

価格賠償の協議がまとまらない場合は、裁判(共有物分割訴訟)を通じて強制的に取得可能です。

「価格賠償」の方法を使えば、業者に安く売るのではなく、単独所有の不動産として適正価格で売却することが可能になります。これは、まさに持分買取業者が行っていることを、自分自身で行う方法とも言えます。

(2)任意売却の方法

他の共有者と協力し、不動産全体を第三者に売却する方法です。

任意売却であれば、通常の市場価格(時価)で売却できます。持分買取業者へ売却する場合の「大幅な減額」がないため、経済的なメリットがあります。

ただし、他の共有者と共同で行う必要があり、場合によっては、他の共有者との間で売却するまでの固定経費や管理費などの精算等の交渉が必要なこともあります。

(3)現物分割の方法

土地が広い場合など、物理的に不動産を分筆して分ける方法です。

それぞれが単独所有となれば、各自が土地を自由に利用、売却することができます。

ただし、測量が必要となるため、測量費用の負担などが発生します。

(4)競売による方法

他の共有者が価格賠償や任意売却に応じない場合、裁判所に競売を求めることが可能です。

競売になった場合には、裁判所が選任した鑑定人が不動産の評価を行います。2,3割程度の競売による減価がされるのが通常ですが、持分買取業者の提示額(5割以上の減価)に比べれば、手元に残るお金が多くなることもあります。

(5)他の共有者に持分を買い取ってもらう方法

他の共有者が「この不動産を使い続けたい」と考えているなら、持分買取業者へ売却する前に、他の共有者に持分を適正価格で買い取ってもらう交渉をした方が良いでしょう。

自分で交渉が出来ない、話をしたくない場合、弁護士が代理人として交渉することも可能です。相手の所在が不明な場合でも、弁護士の調査次第では、所在が判明することがあります。

【チェックポイント】持分買取業者へ売却すべきか?

他の共有者との交渉による任意売却・現物分割の可能性がある

現在、不動産を自ら使用している

早期に持分を現金化する必要がない

持分買取業者の提案金額の妥当性が判断が付かない

2つ以上当てはまれば、持分買取業者へすぐに売却することはお勧めしません。他の処分方法の方が、経済的な利益を得られる可能性が高いです。

4 【比較】「価格賠償」と「持分買取業者への売却」での違い

具体的にどれくらい手元に残るお金が違うのか、比較してみましょう。

不動産全体の価格が5000万円、AとBが2分の1ずつ共有している場合を想定します。

(1)具体例1(AがBの持分を価格賠償で取得)

まずは、他の共有者から持分を価格賠償で取得する場合です。

(例1)価格賠償の場合の計算例

あなたがAさんの立場で、Bさんの持分を「価格賠償」で取得し、全体を売却するとします。例えば、Bさんの持分を2500万円で買い取り、その後全体を5000万円で売却すれば、手元に2500万円が残ります(ただし、売却に伴う諸費用、税負担は別途発生します)。

更に、交渉によりBさんの持分を2500万円より安く取得できた場合や、売却時期によって不動産全体が市場価格(5000万円)より高く売れた場合は、その差額があなたの利益になります。

(2)具体例2(持分買取業者への持分の売却)

次に、持分買取業者へ持分を売却する場合です。

(例2)業者に共有持分を売却する場合の計算例

あなたがAさんの立場で、自分の持分を持分買取業者に売却するとします。

業者の提示額は、相場の半値以下が目安となるため、本来2500万円の価値がある持分でも1000万円程度(あるいはそれ以下)しか手に入らない可能性があります。

業者はその後、Bさんに対して(例1)のような手法を取り、大きな利益を得ます。

(3)どちらが経済的に合理的か?

いうまでもなく、(例1)価格賠償を行う方が経済的には合理的です。

(例2)の業者へ売却する場合、業者の利益分が大幅に差し引かれることは避けられません。

一方、(例1)の方向性で、仮に裁判になったとしても、鑑定人による適正な評価がなされるため、不当に高く購入する必要も生じません。

5 まとめ

共有持分は、一度安く売却してしまうと取り返しがつきません。売却前に、「どの方法を選べば、手元に残る金額を最大化できるか」を慎重に確認することが重要です。

そして、特別な事情がない限り、持分買取業者への売却は経済的合理性が乏しい(損をする)ケースがほとんどです。

「他の共有者と連絡を取りたくない」「話がこじれていて動けない」という場合でも、諦めて業者に安売りをする必要はありません。弁護士が代理人となれば、あなたの代わりに交渉や手続の全てを行うことができます。

まずは現在の状況をお聞かせ下さい。具体的な事実関係を踏まえ、あなたにとって最適な解決方法をご提案いたします。

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